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令和2年4月より病院長として赴任致しました竹島史直と申します。私は、長崎県佐世保市の出身です。長崎大学を1986年(昭和61年)に卒業後、これまで消化器内科医としてそして総合診療医として診療、研究、医師教育に携わって参りました。当院へ着任後早くも4年が経ちましたが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
振り返りますと長崎県で初の新型コロナウイルス感染症患者が確認されたのは、令和2年3月14日でした。赴任の2週間前であり、強い緊張を感じたことを今でも覚えています。以来、その戦いは4年に及びます。本院は五島市唯一の感染症(第2種)指定医療機関であり、その診断と治療を先頭に立って実施してまいりました。昨年5月8日からは、新型コロナウイルス感染症が2類相当から5類感染症へと移行されましたが、本ウイルスの病原性に大きな変化はなく、この1年間でも数回、院内クラスターを経験し、診療の制限を余儀なくされています。入院患者さんへの面会制限を現在も継続していますが、どうぞご理解を頂ければと思います。私たちは、ウイズコロナを継承しつつ、ポストコロナへ向けて活発に動き出した市民の皆様を今後も後方より支え続けます。
昨年1年間の当院の変化(改善)といたしましては、まず4月より1階の旧売店跡に新設した地域連携室をスタートさせました。地域連携室は、患者さんの診療において当院と五島市内外の病院や診療所とをつなぐ本院の最も重要な部署の1つです。これまでは医事課と同じ室内にあり、手狭であることやご相談のしづらい環境でご迷惑をおかけしておりましたが、患者さんやスタッフより好評を頂いています。5月には、日本医療機能評価機構による病院機能評価を受審し、認定を受けました。職員はコロナ対応で多忙の中、一丸となって準備を行い、再審査なく1回の審査で認定されました。当院は五島市における唯一の基幹病院ですが、他との比較ができないため、第3者の目により審査、評価されることはとても重要と考えています。本年3月18日からは、いよいよ消化器内視鏡、脳神経内科、皮膚科の診療科において長崎大学病院との間で遠隔診療を開始いたします。これは五島中央病院医師が患者さんの状態や内視鏡画像をローカル5Gなどで送りながら大学病院専門医の直接のアドバイスにより診療を行うものです。特に当院には脳神経内科、皮膚科の常勤医はおりませんのでこの分野のさらなる充実が期待されます。
本院は基幹型臨床研修病院であり、研修医教育にも力を入れています。今年度も新たに3名が加わり、現在5名の研修医が研修中です。海と緑に恵まれた大自然の下、長崎大学病院派遣の専門医による丁寧な指導と垣根のないアットホームな医局の雰囲気が魅力と自負しています。また同時に、長崎大学医学部医学科学生、保健学科学生の病室実習、長崎県立五島高等学校衛生看護科講義、実習など学生教育にも積極的に取り組んでいます。私は、次世代を担う医療人材の教育・育成が、これからの離島医療のために最も重要なことと考えています。
今後も離島内の他の医療機関では出来ない高度・専門医療や離島では不足しがちな救急医療、周産期・小児医療、精神科医療、回復期医療を提供することで“郷診郷創”(地域での受診が地域を創る)を進めます。引き続きご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
令和6年4月 五島中央病院 院長 竹島史直